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「美しいキモノ」2017冬最新号70ページ掲載帯のご紹介

今回ご紹介する帯は「綴錦、六通有職横段」です。

平安時代以降に公家の装束や調度品に多く用いられた織物の総称を有職(ゆうそく)織物といいますがそこにつけられた紋様を有職紋様と呼びます。古典的かつ伝統的な格調が高いこの紋様は現代でも着物や帯の柄に広く使われます。正倉院紋様が日本の風土に合うように和様化したものでもあります。幾何学紋様を繰り返すように図案化されているため季節感なく用いることができ、年間を通じて利用できる古典柄といえるでしょう。代表的なものだけでも「七宝紋」「立涌紋」「亀甲紋」「菱紋」「小葵紋」など沢山あります。

この帯の一番の特徴は柄と金の無地がはっきりと分かれている所です。一見シンプルで織る事が簡単そうに思えますが、本金箔を引き、綾織りしている無地部分と、綴れ織りや綾織りが入り混じり、細かい柄がたくさんある柄の部分では、普通に織ると柄の部分だけどんどん縦に膨らんでいき、形が崩れてしまいます。しかしこれを織手の長年の経験と技術で、そうならないように織り進めます。一越の中に複数の異なる組織があるだけで織る難易度は格段にあがってしまうのです。留袖、訪問着、付下げなどにぴったりの帯といえるでしょう。

帯に関してご質問がありましたらお気軽にメールにてお問い合わせください。

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